起業後になやむ販売価格を決定する3つの方法【決定版】

いくらで売り出せばいいのか

新しい商売を始めたり、サービスを開発したりしたときには、必ずと言っていいほどこの問題に突き当たります。

「よく見る競合がこの値段だから」「これ以上だと買ってくれないだろうな」

そう思ってなんとなくで決めていることも多いと思いますが、それだけでは商売うまくいきません。

そんな非常に難しい価格決定の方法を解説していきたいと思います。

 

 

①製品やサービスから考える(プロダクトアウト)

価格決定のためにはまず、その製品やサービスについて熟知する必要があります。

そして、その商品から販売価格を考える方法があります。

この場合は、仕入れ値に粗利率をかけて販売価格を割り出します。

その商品を仕入れ・製造・販売するのにいくら掛かるのか、投資額があるなら何個売って回収するのかを考えて計算します。

例えば1000円で仕入れて、月100個売れる商品で、家賃や人件費等で月々60万円かかるとすれば単純計算で粗利が最低14.3%以上ないとやっていけません。

つまり売値は7000円ほどになる計算です。

 

毎月もっと売れる商品であったり、固定費が安かったりすれば当然変わってきますが、自分の商品では販売価格がどうなるか気になる方は以下の計算式で計算できます。

 

赤字にならない最低販売価格 = ( 月々の固定費 + 仕入れ以外の月々の変動費 ) ÷ 月間予想販売数

 

こういった原価から販売価格を割り出す手法を、プロダクトアウトといいます。

この計算式では、税金を考慮していませんし販売数も予測です。

さらに、赤字にならない最低販売価格なので、実際にはこの計算結果より~1.5倍程度高い金額で販売するようにしましょう。

 

 

 

②市場価格から考える(マーケットイン)

これは既存の似た商品がある場合によく取られる手法です。

例えばアンパンであれば、大体100~150円くらいで販売されていることが多いですが、その価格帯を参考に値段をつける方法です。

競合調査をして、どのくらいのクオリティのものをどのくらいの金額で販売しているのかを分析します。

そして、自分の売り出そうとしている製品やサービスがどのくらいであれば売れそうかを考えて値付けします。

この位置づけを提供価値(バリュー・プロポジション)と言って、競合他社の価格と品質でグラフ化すると出てくるグラフで分布の少ないところを狙うとうまくいきやすい、という理論です。

他社が提供できていない価値のものを、他社が提供していなくてしかもちょうどいい価格で販売する、という形になります。

例えば、900~1200円、1社だけ1800で販売しているサービスがあるとします。

各社それぞれ、価格相応の価値があり、1800円で販売している他社は圧倒的高価値とサービス精神旺盛な代わりに高い金額で販売しているとします。

それをグラフにすると、以下のようにオレンジ丸部分に空白帯があることがわかります。

このオレンジ丸部分に当たるような価値と価格で製品を販売すればうまくいくという戦略がマーケットインといいます。

 

 

 



③利用者の立場で考える(カスタマーイン)

この方法は、全く新しいサービスや商品の価格決定に利用されることがあります。

主にオーダーメイド、カスタムメイド、セミオーダー、イージーオーダーなどのサービスでは利用が検討されます。

 

色々な理屈があっても、やはり買うのはお客さんです。

いらないものは買ってもらえないし、当然売れません。

そのため、お客さんならどのくらいの価格でこの商品を買ってくれるのか、お客さん自身になった気持ちで考える方法もあります。

 

よくあるのが販売開始前のモニター制度です。

お試しモニターを募集して、実際に製品を試してもらいます。

そのとき、無料かほとんど無料に近い形でお試ししてもらい、後日利用した感想をアンケートで回答してもらいます。

そのアンケートで販売価格を決定するということも可能です。

 

ただし、モニターにはかなり費用と時間がかかるので、スタートアップ起業にはやや行いづらい点もあります。

その場合は、真っ先に利用するであろう人物を特定して、その人物の意見を聞きながら価格決定する戦略も取られることがあります。

これの人物はペルソナと呼ばれ、知人や友人、家族、同僚などそのサービスを利用したいと強く言ってくれている人を対象にするとより効果的です。

まずはその人のためだけに商品を改善・開発し、リリース後に出てくるご要望を汲み取ってよりよい商品にしていく、という流れになります。

 

この場合も注意が必要で、その人物にアイディアを乗っ取られる可能性もあります。

十分信用できる人物に意見を聞くようにしましょう。

 

 

さいごに

価格決定は難しく、まだ市場にない商品、すでに出回っている商品で大きく変わりますし、提供できる価値によっても変わります。

いろいろな方法がありますが、あなたの製品やサービスに合った方法を使ってみてください。

価格決定については、以下の参考書籍がとても参考になります。

少し硬い内容ですが、読む価値は十分にあると思います。


マッキンゼー プライシング (The McKinsey anthology)

 

 

 

今日のペンちゃん

暖かくて気持ちいねー。

トイレでついつい寝ちゃうペンちゃん。かわいい♪