決算って何をすればいい?決算前・決算月にすること3つ【初心者向】
決算って何をするの?
素朴な疑問だと思います。
起業したことがない人にとっては決算って家電が安くなる時期、位にしか思っていない方もいるかも知れません。
決算とは、「今年の売上と経費はこのくらいで、こういう感じで儲かりました、なのでこのくらいの税金を払います。」ということを確定させて、国と地方自治体に届出る事を言います。
その他にも会社で借り入れがあったり融資を受けているなら、そのステークホルダー(この場合は債権者)にも報告することもあるでしょう。
これによって社外から見たときに、「なんとな~くいい感じなのかな?」が「いい感じですね」に、「なんとなーくよくないかな?」が「良くないですね」に変わります。
個人事業主の場合は、確定申告と呼ばれています。
会社の役員で役員報酬以外に収入がある場合や、会社会計と個人の会計がきっちり別れていない場合は、会社の決算に加えて個人の確定申告が必要になります。
その他にも役員が確定申告をする必要がある条件はいくつもありますが、起業したてのそれほど売上がない頃はこの程度の理解でいいと思います。
決算の準備は必要?
別に日頃から考えて行動する必要はありません。
ですが、何事も決算を意識して取り組むと少し違って見えたり、結果も変わってきます。
日頃行うことで意識することは、まとめると以下になります。
・どんなものでも領収書をとっておく
・できれば日々仕訳をして帳簿付けする
・10万円以上のものを買うときは慎重に
・20万円以上のものを買うときはできるだけ分けて買う(青色申告なら30万円)
・1年間で1,000万円以上売り上げない
それぞれの理由については長くなるので、また別の機会にご説明します。
理屈抜きに、上のことは覚えておいて損はありません。
会社運営や経理事務では常識ですが、そういう業種を経験していない方は知らないこともあると思います。
取り返しの付かないことにもなりかねないので、上のことは丸暗記してください。
その他に気をつけておいたほうがトクなこと、必要なことを解説します。
①在庫商売なら棚卸し、決算セール
在庫のある商売、つまり小売・販売業や製造・卸業などですね。
こういった売れるまで一時的に在庫を持っているような商売は決算時期に必ず棚卸しをする必要があります。
毎月や毎週の棚卸しは余裕があればでいいですが、決算の棚卸しからは逃げることができません。
12月決算の会社であれば、12月31日の営業終了時に残っている在庫を帳簿につけます。
徹底的に在庫を数えて、正確に記録する必要があります。
これをしないと、儲かってないと思っていたのが、見落としていた・帳簿についてない在庫になっていただけ、ということになったり、儲かってると思っていたのが、在庫を2重に数えていただけ、そんな悲しいことになります。
さらに、よく聞く言葉に決算セールというものがあると思います。
これは、決算のときに在庫であろうがそれが売れた現金であろうが資産としての扱いは違いありませんが、「少しでも決算を良く見せようと売上を上げる」「決算後に必要になる現金を確保する」という2つの意味があります。
更に、多くの人が歳末や年度末には決算セールをするものだと認識しているので、よく売れるということも理由です。
なので、決算セールをして意味のある業態でしたら、特別な理由がない限り必ず行うようにしましょう。
②税金対策
よく聞く話で、「このビルはあそこの社長の税金対策で立てたんだよ」というのがあると思います。
こんなふうに、世の会社、企業は税金対策をしています。
それはなぜか。当然払いたくないからです。
簡単に言うとそういうことですが、詳しく言うと他にも理由があります。
払うべきものは払うべきですが、払わなくていいものもあったりします。
「これ、こっちにこうするだけで税金変わるね」とか、「これ本年度には入れたくないなー」とか、抽象的で申し訳ないのですが、そういった場面が多々あります。
さらに、払えれば払いますが、入金が遅れたり、売掛金が焦げ付いたり(いわゆる手形がおりない)すると払えなくなります。
払えないどころか、先に無理して税金を払ってしまった結果、資金繰りが悪くなって最悪倒産してしまうかもしれません。
③売上の移動、経費の移動
上で書いた税金対策の一部ですが、移動させられる売上は移動させましょう。
要するに、納品を遅らせるということです。
前入金があったとしても、納品しなければそれは前受金という費目になるため、売上計上されません。
お客様に納期が決算明けでいいか聞いてみましょう。
決算前の受注は特に気にするべきポイントです。
また、経費も移動させられるものはさせましょう。
例えば、「ここの棚いつか買い替えたいなー」とか「来年買えばいいかな」と思っていたものです。
これらを洗い出して、無理のない範囲で決算月中に買いましょう。
最初に書いた暗記ポイントとかぶる部分がありますが、注意点がありますのでそれぞれ解説していきます。
・領収書1枚の金額が10万円を超えないように
10万円以下のものをまとめ買いする場合は、分けてつければいいのでまだなんとかなります。
10万円を超えたものを買うときは、クーポンやポイントでなんとか10万円以下にするか、領収書を分けてもらいましょう。
・常識の範囲内で買うこと
例えば、トイレットペーパーを20年分とか買ってしまうと、これは経費として一括で精算できません。
やろうと思えばできますが、それは脱税と呼ばれている行為になります。
そういった間違いがあると、税務調査が入ったときに怒られて、有りもしない脱税を疑われ掘り返されたりすることになります。
ですが、常識から外れていても、理屈が通れば大丈夫です。
例えば、「次のイベントでミイラのエキストラをいっぱい出演させる予定だが、その包帯代わりにトイレットペーパーを使用するために購入した」とかです。
実際にそのイベントを行う必要がありますが、本当に必要であれば問題ありません。
・無理のない範囲で
「たくさん売り上げたから年末に5百万円も現金が余ったぞ!いっぱい買って税金を減らそう!」
そう思う方もいるでしょうが、決算後のことをしっかりと計算に入れて買うようにしましょう。
現預金5百万でも、税金が百万、毎月の支出が3百万だと、使える金額は百万円しかありません。
なれてくると自然と計算できるようになりますが、最初の決算のときには税金を忘れがちなので、しっかりと頭に入れておきましょう。
④年末が決算月なら年末調整・確定申告
12月が決算月の会社であれば、従業員の税金の計算があります。
世に言う年末調整、年調です。
これをしないと、さっきの棚卸しと同じように月々の税金を取られすぎていることになりかねません。
それは何故かと言うと、給与から毎月引かれている税金ですが、少し余裕を持って多めに引かれているからです。
それを年末に「実際の給与はこのくらいだったから、これくらい多めに払ってたみたいだね」というのを計算して、年末の給与に足して支払います。
これが還付金と言われるものです。
年調用の書類を従業員に書いてもらって回収して、税務署に届ける。これが従業員を持つ社長から見た年末調整です。
さらに、先程も触れた確定申告が必要になる場合もあります。
起業したての頃は、なんとなくトクだと言われて青色申告でやったはいいものの帳簿の付け方もわからない、おまけに起業前に個人で持っていたお客様のご入金が自分の個人の口座に振り込まれてる、会社の資本金って言ってたものはどういう扱いになるのか、飲み代や食事代などどこまでが接待交際費で会議費なのか、消耗品費と雑費と雑損失は何が違うのか……。
何もかもわからないことだらけで混乱してると思います。
そこに更に、会社の決算も必要だけど、この感じだと確定申告も必要ですね!と言われてもチンプンカンプンです。
かくいう私も上に書いたことは一つもわからなかったですし、google先生に聞いても何もわかりませんでした。
潔く初年度から税理さんにおまかせしております。
ですが、さすがに7年もやっていると簡単な仕訳や日々の帳簿付け、経費の考え方などは一通り覚えたつもりです。
もちろん自分の会社に限りますが、よほど特殊な会社でもなければある程度は分かると思います。
あまりお役に立てるかわかりませんが、藁にもすがるときの藁くらいにはなれるかもしれませんので、コメントをいただければ返信させていただきます。
おわりに
今月を決算月にしている会社さんも多いことだと思います。
はじめての決算となると、右も左もわからず頭がパンクしてしまっている方も多いと思います。
少しでもそういった方のお役に立てれば幸いです。
今日のペンちゃん
ご飯を探しにひょっこり出て来た☆
半分だけ巣穴から出て、ちょっぴりサボり気味なペンちゃんもかわいい♪
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