決算後にやるべきこと3つ【初心者向け】
決算後にやったほうがいいこと
年末決算の会社さんですと、もう決算が終わって、そろそろ結果が出てきている頃ではないでしょうか。
3月決算の方は今頃大忙しですね。お互い様かもしれませんが、毎年のことながらご苦労さまです。
今回は初めて決算をする方や初心者の方へ向けて、決算後にするべきこと、したほうがいいことを記事にしてみます。
①売上予測
決算が終わると、去年の実績が明らかになります。
今までなんとなくどんぶり勘定でわかっていたつもりの収支がすべて数字になって現れてきます。
上場している方であればその後の株価に反映されますが、していない経営者が大半だと思うのでこれで一旦向こう1、2年の評価が固まります。
決算報告書は通知表のようなもので、経営者とその従業員の努力の結果が数字という成績になって出てくるものだと思っています。
去年の数字が固まれば、今年の売上予測も立てやすくなります。
特に1年目の決算は重要です。
自分の努力すべてがどのくらいの成果につながったのかを把握する必要があるためです。
これを怠ると、なんとなくいけそう、という理由で人事面や投資面で無茶をしてしまい失敗してしまうこともあります。
結構頑張ってみたけど案外良くなかった、そんなに頑張らなかったけどすごく良かった、予想どおりくらいの結果だった。
どういった成績であっても、受け入れて今年の働き方に反映させていく必要があります。
さて、それ以外にも重要な側面があります。予算配分がしやすくなるためです。
予算配分だけでなく、いつ忙しいのか、いつ暇なのかという繁忙期・閑散期の目安も立てられるため、派遣社員を雇う次期や求人をかけるかどうかにも影響が出てきます。
新卒募集をかけるときにはこれが特に重要になります。
まだまだ伸びそうな事業を行っていて、利益が一人分くらい出た場合、新しく社員を雇うか検討することができます。
中途採用であれば原則いつでも募集をかけることができますが、新卒はそうは行きません。
今の所中学生も高校生も大学生も、求人募集をかけられる時期は決まっているからです。
そうなると、どのタイミングで求人の事務処理が忙しくなったり、応募した人の面接をするのかを計算して行かなければなりません。さらに今年求人して来年雇い入れたときに、お給料を払えるかどうかというめどを立てる必要もあります。
求人で忙しくなるタイミングが本業の繁忙期とかぶっている場合は、もしかしたら事務処理や面接をする隙がないかもしれません。
人事担当者がいて、そのあたりのことはすべておまかせできている場合は別でしょうが、起業したての零細企業にそんな人はいません。
人的・金銭的リソースを計算するためにも、必ず売上予測を立てるようにしましょう。
②良かった場合:税金対策(消費税も)
決算の結果が良かった場合、悪かった場合があると思いますが、まずは良かった場合について書いていきます。
良かった場合は税金の心配をしましょう。
まず、どの程度良かったのかによって対策も変わってきます。
年商が1,000万円未満の場合、売上予測から法人税の計算をして、積み立てておく事ができます。
必ず必要とは言いませんが、来年の今頃やっていなくて頭を抱えるのは自分しかいないので、来年の自分のためにやっておいてあげましょう。
年商が1,000万円(昔は3,000万円でした)を超えた場合は、さらに課税業者となるため上記以外に消費税の心配が必要になります。
消費税は怖いもので、年商1,000万円を超えたときの2年後、つまり決算期間から見て再来年から払えと言われます。
それがいったいどういうことかというと、今まで税込みで販売していた商品がが8%(厳密には7.4%程)値引きになるということです。
別にセールをしているわけでもありません。お客様にとって見ればいつもどおり何も変わりません。
ところが、あなたにとっては課税業者になった途端、値引きセールを強いられることになります。
消費増税で10%になると、この痛みは更に増します。
なんと常時9.1%程の値引きになります。いつでも9%値引きです。
つまり、手元にある現金のうち9%は使ってはいけないということでしょうか?
それは違います。
取扱商品の原価率にもよりますが、仮に30%だとしましょう。
そうすると、手元にある現金は税込10,000円のものを売っても仕入れで3,000円は使えないことになります。
仕入れを考慮すると、37.41%は手を付けてはいけないお金になります。
じゃあ現金のうち40%を使わなければいいのか?
それも違います。
手元にある現金のうち、60%の中から月々の家賃や人件費、保険料、通信費、消耗品費を支払うことを考える必要があります。
話がややこしくなってきたので、仮の話で簡単に計算してみましょう。
社長一人だけ、もしくは個人事業主の想定で考えてみます。
■入ってくるもの(収入)
商品の売値:10,000円(税込)
■出ていくもの(支出)
粗利率:30%(仕入値:3000円(税込))
給与:300,000円(額面)
社会保険料:大体50,000円くらい
家賃:200,000円
通信費・消耗品費等諸経費:100,000円
この条件ですと、消費税を払うことになっても同じ粗利を確保するには一体何個売ればいいでしょうか。
消費税を考慮すると、大体月々100個、税込で100万円の売上が必要になります。
消費税を考慮しなければ、大体月々93個、税込93万円売ればいいことになります。
消費税が10%だとすると、大体月々106個、税込106万円です。
これを年商1,000万円に置き換えてみると、約1140万円になります。
これは例えばの話ですので、実際の数字とはかなりズレますが参考にはなるでしょう。
今年1,000万円をほんの少し超えた場合は、再来年には年商を140万円、月商で12万円増やす必要があります。
年商1,000万円、月商83のときに、コンスタントに月々の売上を12万円増やすのは簡単なことではありません。
このため、たくさん売れて決算が良くてもぬか喜びせず、税金、特に消費税のことを頭に入れておくようにしてください。
③悪かった場合:リスケ、税金の分納申請
決算が悪かった場合ですが、どのくらい悪いかによって変わってきます。
ほんの少し悪い程度であれば、②のときと考えること、やることは代わりありません。
少し赤字だったら、キャッシュ、銀行残高だけ気にしていれば問題ありません。
ものすごく赤字だった場合は、考えることが増えてきます。
まず、法人住民税を考えます。
起業したてであれば7万円で住むはずですが、こちらは払えるようにしておきましょう。
借り入れがあって月々の返済が重くなってくる場合は、リスケジュールを考慮に入れましょう。
また、消費税の課税対象事業者の場合、消費税の一括納付ができなさそうであればこちらも分納申請を行います。
それぞれ簡単に説明します。
まず、借り入れのリスケですが、銀行の担当者や債権者に「条件変更のご相談がある」と電話します。
その後は担当者と相談しながら、資料を準備したり打ち合わせを進めてください。
分納申請ですが、決算書ができたら税務署に相談に行ってください。
事前に電話してアポ取りしてから行くとスムーズです。
分割回数は相談して決める形になりますが、大体1年以内が目安でしょう。
全然払えないように見せるために、決算後の2ヶ月の数字を悪くすることも検討しましょう。
少し利子を取られますが、一括で払って倒産するよりはマシなので我慢しましょう。
債権者も税務署も、倒産して全く取れないよりはいいので、基本的に応じてくれます。
多少嫌味を言われるかもしれませんが、気にしないでください。
「すいません、不甲斐ないです」という姿勢でいれば問題ないと思います。
さいごに
決算は大変ですが、いい結果が出るととても嬉しいものです。
今年一年頑張ってよかったなー!と思える瞬間です。
次ももっと頑張るぞ!と力が湧いてきます。
天狗にならず、謙虚に慎重に変わらず続けてください。
悪かったとしても、また頑張ればいいのです。
諦めずに本気で取り組んで、新しいことも取り入れていけば必ず報われます。
私も何度か大変な年がありましたが、諦めずに必死で頑張れば半年もせずに「何だったんだろうね」と笑えているものです。
いい結果が出た方も、悪い結果が出た方も、一緒にこれからも頑張っていきましょう!
今日のペンちゃん
頬袋にたくさんタネを詰めて、お腹いっぱいで眠くなっちゃったペンちゃん。
トイレでうっかり寝ちゃった。
おまんじゅうみたいになっててかわいい♪
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